ペット葬儀とは?種類や流れなどの基礎知識を初心者向けに分かりやすく解説

ペット葬儀を知らない人のために分かりやすく説明すると、ペット葬儀とは、亡くなったペットを供養するために開催される葬儀のことです。
人間の葬儀と同じように、本格的に開催されるものもあります。
さまざまな種類のペット葬儀が開催されていて、料金も葬儀の種類によって異なります。
一匹のペットだけのためにおこなわれる葬儀もあれば、複数のペットを一緒に供養する葬儀もあります。
告別式が終了した後は、火葬がおこなわれるのが一般的なペット葬儀の流れです。
ペット葬儀とは?誕生した背景は?
ペット葬儀の起源は明確にはわかっていませんが、人間がペットを家族同様に扱うようになったことが大きな背景となっています。
ペットが家族同様に扱われるようになったのは20世紀初頭からでした。
それまでのペットは、単なる動物として扱われ、農業用や狩猟用などの目的で飼われることが一般的でした。
しかし、都市化が進み人々の生活環境が変わるにつれて、ペットは単なる動物ではなく、癒しやコンパニオンとして扱われるようになりました。
このような状況からペット葬儀が誕生しました。
ペットは家族と同じように扱われるようになり、飼い主たちはペットが亡くなった際にも大切な家族を見送るように葬儀を行いたいと考えるようになりました。
また、ペットを家族同様に扱うようになったことで飼い主たちの愛情や思い出を形に残すことが葬儀の需要を高める要因となりました。
最初は個人的な範囲で行われていましたが、1970年代になるとアメリカやヨーロッパを中心に、商業的なサービスが登場しました。
それ以降世界中で広まり、現在では多くの国で一般的なサービスとなっています。
ペット葬儀には大きく4種類のスタイルがある
ペット葬儀には大きく分けると、合同葬と立会葬、個別と訪問火葬の4種類に分けられるのではないでしょうか。
合同葬は複数のペットをまとめて火葬するペット葬儀方法で、費用面は抑えられるものの、いわゆるお骨上げができないのが欠点です。
立会葬は人間のお葬式に近いペット葬儀で、出棺からお骨上げと納骨もあります。
個別は基本は立会葬に準じますが、火葬とお骨上げに飼い主が立ち会えないのが違いです。
お骨は火葬された後に、後日お迎えという形になるのが一般的です。
訪問は炉を搭載した車が自宅まで出張して、その場でペット葬儀を執り行うやり方です。
小さい子供がいたり高齢で遠出が難しい場合などに、慣れ親しんだ場所でお別れができるのが魅力です。
いずれにしても、種類が異なれば内容も違いますし、当然ながら費用も違ってくるので、比較検討して選びたいものです。
お別れは寂しいものですが、葬儀は一度しかできないものですから、後悔のないように決めることが大切ではないでしょうか。
ペット葬儀場は大きく公営と民営の2種類がある
ペットを亡くした際には、ペット葬儀を行うことができます。
その中でペット葬儀場は大きく公営と民営の2種類があります。
それぞれの特徴や違いについて以下で説明します。
まず公営の葬儀場については自治体が運営している施設です。
多くの場合、施設内には霊安室や火葬場が備わっておりペットの葬儀を行うことができます。
また公営は多くの場合、料金が比較的安く抑えられています。
一方、民営については、個人や法人が運営している施設なので、公営と比較すると、より多彩な葬儀プランやサービスを提供している場合が多いです。
例えば、手作りのお棺やペットの写真を使ったアルバムなどを用意している場合もあります。
また民営は公営に比べて施設が綺麗で、より落ち着いた雰囲気でペットとの最後のお別れを行うことができるでしょう。
ただし料金は公営に比べて高めになっている場合があります。
また葬儀場によっては、火葬場があるところとないところがありますので、火葬場がある場合は、その場で火葬を行うことができますが、ない場合は別途火葬業者に依頼する必要があります。
公営と民営に分かれていますが、どちらを選ぶかは個人の好みや状況によって異なります。
ペットを大切に送り出すためにも、ペット葬儀場選びには慎重に検討することが大切です。
ペット葬儀は亡くなってから何日後に執り行う?
ペットが亡くなり何日後に葬儀をするのかと気になる人もいるでしょう。
ペット葬儀は適切な時期に執り行うことが望ましいです。
一般的にはペットが亡くなり24時間以内に火葬が行われることが一般的です。
その後家族が適切な形で葬儀を行います。
ただし葬儀の形式や方法によっては数日経過してから葬儀を行うこともあります。
例えばペット霊園において、ペットの遺体を安置し、家族がその場で最期の別れをすることができるようにする場合、数日間遺体を安置しておくことが多いです。
また葬儀の形式により、亡くなってから数週間後に行われる場合もあります。
ペット葬儀を行う場合には、ペットの亡くなった時間や形式、遺体を安置する場所などによって、適切な時期を決定します。
ペットを失った際には、愛するペットに最後のお別れをすることができます。
家族が参列して行うものやプロの業者に依頼して行うものがあります。
どちらでもペットの亡骸を尊重し、心を込めた最後のお別れを行うことが大切です。
ペット葬儀の副葬品として棺に入れられるもの・入れられないもの
ペット葬儀でお棺の中にペットが好きだったご飯やおやつ、おもちゃにお気に入りだった毛布やクッションなどを入れてあげたいという方が多いです。
ペット葬儀の際、副葬品としてお棺の中に入れられるもの・入れられないものがあるのか確認してみましょう。
多くの方が入れてあげたいと感じるご飯やおやつですが、パッケージや袋から出して入れてあげるのはOKです。
ただ缶詰はそのままだと入れることができないので、ティッシュなどに包んであげると良いでしょう。
おもちゃの場合、布製のものや小さいぬいぐるみであれば良いという場合が多いです。
ゴムやプラスチック製のもの、大きいぬいぐるみは火葬できないことがあります。
大きなぬいぐるみ同様、クッションや毛布も繊維が灰となりお骨に影響を与えることがあるため、NGというところが多いです。
首輪や洋服も金具がついているものは火葬できません。
このようなペットが身に着けていたものは思い出の品になりますので、火葬せず取っておくことも検討しましょう。
ペット葬儀を執り行った後の供養方法について
ペット葬儀を執り行った後の供養方法には様々な手段がありますが、代表的なものとしては手元供養・納骨・散骨・埋骨の4種類が挙げられます。
手元供養は、ペット葬儀後の遺骨を手元に置いておくというものです。
亡くなったペットを身近に感じられるのが最大のメリットで、近年はペット用の仏壇も数多く販売されています。
また、遺骨の一部をペンダントなどに入れて常に携帯するという方法もあります。
納骨は、ペット霊園や納骨堂、合祀墓に遺骨を納める方法です。
他の方法と比べて費用はかかりますが、永代供養を選択できるというメリットがあります。
また、人間と一緒に入れるお墓もありますが、その数はまだまだ少ないのが現状です。
散骨は、海や山などに遺灰を撒く供養方法です。
散骨ができる場所は限られており、基本的には許可された霊園の散骨場所や海洋を選択することになります。
海洋散骨については、自身の手で行おうとすると費用と手間がかかるので、代行業者を利用するのがおすすめです。
埋骨は、自宅の庭などに遺骨を埋める方法です。
ペットの遺骨は法律的には物として扱われるため、自分の土地であれば埋骨することができます。
費用がかからず、好きなときに手を合わせることができるのが埋骨の魅力ですが、引っ越す場合などに掘り返して骨壺に戻すといったことはできないので注意が必要です。
ペット葬儀当日は喪服を着用すべき?
ペット葬儀当日に着用する服装は、喪服ではなく平服で問題ありません。
人のお葬式ではブラックフォーマルを着用するのがマナーですが、ペット葬儀の場合は家族のみでお見送りをすることが多く、またお見送りされるペット側も普段から見慣れている普段着のほうが、安心して旅立てるのではないでしょうか。
ペット霊園での葬儀でもブラックフォーマルである必要はありません。
また、お友達のペットが亡くなったなどで葬儀に参列する際も、ブラックフォーマルを着用しなくてもOKですが、どんな服装やファッションをしても良いという訳ではないのでその点は注意が必要です。
愛する家族を失った悲しみに寄りそう気持ちに反するような、過度な露出や派手すぎるファッションは避けましょう。
この他にも殺生を連想させる動物性の素材を使った服は着ないのも、ペット葬儀に参列する際のマナーとなります。
特にレザーや毛皮といった素材は、他の参列者の方に不快な思いをさせてしまうことがあるので、身に着けないよう注意が必要です。
ペット葬儀当日に準備しておきたい持ち物について
ペット葬儀当日に持参したほうが良い持ち物にはいくつか種類があります。
葬儀となる前に自宅でたくさん泣いた方も、いざ火葬となると涙が出てくるものです。
涙をふくためのハンカチは必須アイテムと言えます。
また火葬する場所によっても変わってきますが、寺院やセレモニーホールで執り行う場合は数珠も持参したほうが良いでしょう。
お焼香をあげるときに数珠が必要になります。
もし使う機会が無くても小さいものなので、バッグの中に忍ばせておくと良いでしょう。
ペットとの最後のお別れを記録に残しておきたいなら、カメラやスマートフォンで写真を撮ることも可能です。
祭壇を思い出に写真に撮る方も少なくありません。
この他に祭壇に飾ったりお棺の中に入れたい、ペットが好きだったご飯やおやつ、気に入っていたおもちゃやキレイなお花などを持っていくのも良いです。
人の葬儀のように厳密にルールやマナーが決まっているわけではないので、ペットのことをと考えた品を選んで持参するのをおすすめします。
ペット葬儀に参列する際は香典を用意すべき?
友人などの大切なペットが亡くなりペット葬儀に参列する際、香典を用意すべきかどうか悩む方もいますが、基本ペット葬儀においては必要ありません。
人の葬儀のように持参する習慣はありませんし、お金を渡すことになるので相手に気を使わせてしまうことになってしまうケースもあります。
葬儀に参列する際は悲しんでいる友人に寄り添う姿勢が大切です。
もし、気持ちとして何かを送りたいという場合は、お花を持参するのもおすすめです。
ペットの場合、菊などの仏花でなくカラフルなお花でもOKです。
フラワーアレンジメントされたものなら、亡くなったペットのお骨や写真の横に飾ることもできます。
お棺の中に入れるお花を渡したいという場合、あまりカラフルなものだとお骨に色がついてしまうことがあるため、できるだけ白っぽいものを選んだほうが良いでしょう。
ペットが好きだったご飯やおやつを知っているなら、それらを渡すのもおすすめです。
友人のペットと生前親交が深かったなど、状況によって香典をどうしても渡したい場合、相場と言われている3000円を包むのが良いとされています。